Chapter 10

桃枝の顔が一瞬で固まった。

彼女の心声も、鋭く止まった。

【どうして彼女が知ってるの?!】

私は笑った。「答えなくていいわ。」

「あなたの顔に全部書いてある。」

足利桃枝の指が強く握りしめられたが、声はさらに柔らかくなった。「蛍、あなたが私を憎んでいるのは分かる。でも分かってほしいの。罪を犯したのは牧口健一よ。」

「彼はあなたを騙し、利用し、殺そうとした。」

「私はただ……彼を愛しすぎただけ。」

私は思わず笑いそうになった。

「あなたが彼を愛してる?」私はゆっくり立ち上がり、彼女の目の前まで歩いた。

「じゃあ、どうして彼が拘束されたその日に、九条家族に会いに行ったの?」

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