Chapter 6
鐘楼の扉が音もなく蹴り開けられ、ほぼ同時に二人の「教会警備」が階段口の男を押さえ込んだ。
私は抑え込まれた罵声を聞いた。
【くそ!なぜ警察が!】
【牧口氏は今日警察はいないと言ったはず……】
言葉は最後まで続かず、口は塞がれた。
私は祭壇の前に歩み寄り、立ち止まり、秀洋を見上げた。
彼は手を差し伸べ、掌を上に向け、まるで私に道を示すようだった。
私がその手に自分の手を重ねた瞬間、彼の心声が再び響いた。
【恐れるな。】
【今日は誰もお前に触れさせない。】
私はようやく笑った——淡い笑みだったが、本物の笑みだった。
その時、私は理解した。安心感とは「幸せにする」という言葉では...
Login and Continue Reading
Chapters
1. Chapter 1
2. Chapter 2
3. Chapter 3
4. Chapter 4
5. Chapter 5
6. Chapter 6
7. Chapter 7
8. Chapter 8
9. Chapter 9
10. Chapter 10
Zoom out
Zoom in
