第129章

自信満々な様子の西園寺快とは対照的に、その言葉を聞いた西園寺玲央の表情はあくまで平静だった。

数多の修羅場を潜り抜けてきた男だ。玲央は目を細め、沈思する。感情の波立ちは見せないが、その瞳の奥には、容易には読み取れない光が宿っていた。

西園寺財閥はプロジェクトを巡るトラブルに見舞われたばかりだ。事態は収束に向かっているとはいえ、対外的な信用に傷がついたことは否めない。

もしこの重要な海外プロジェクトを勝ち取ることができれば、不利な局面を逆転できるだけでなく、自身の地盤を盤石なものにできるはずだ。

西園寺財閥にとって、これはまさに干天の慈雨と言えた。

だが同時に、これは祖父から二人への...

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