第151章

橘詩織は少しの間沈黙し、最後に大きく息を吸い込んだ。そして、周囲から突き刺さる無数の視線をものともせず、霧島湊に向けて艶然と微笑んでみせる。

そのまま彼女は、一際目を引く派手なオレンジ色のスーパーカーへと歩み寄ると、助手席のドアを開け、一瞬の躊躇いもなくその身を滑り込ませた。

バタン、と重厚な音が響き、ドアが閉ざされる。

霧島湊も彼女の潔さに少なからず驚いたようだったが、すぐに笑みを深めると、余計な言葉は発さずにアクセルを踏み込んだ。

スーパーカーは鼓膜を震わせる咆哮を上げ、感情の入り混じった野次馬たちの視線を置き去りにして、猛スピードで走り去っていった。

一方その頃、社長室の巨大...

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