第167章

西園寺の祖父はそれ以上言葉を続けなかった。だが、その双眸に宿る警告の色は、西園寺に思わず身震いさせるほどの威圧感を放っていた。

……

城西支社、社長室。

窓の外には、すでに華やかな街の灯がともり始めていた。

橘詩織はズキズキと痛むこめかみを揉みほぐし、決裁を待つ最後の一枚にサインをすると、デスクの隅に積み上げられた書類の山へそっと重ねた。

社長室はすでに徹底的に清掃されており、かつての不快な臭気は消え失せ、代わりに微かで心が安らぐアロマの香りが漂っている。

ここ数日、彼女は社長室に住み着かんばかりの勢いで、休む間もなく奔走していた。

今日になってようやく、社内の状況が少しばかり...

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