第97章

橘詩織は、トップニュースに躍り出たトレンドワードを前に、一瞬意識が遠のいた。橘梨乃が後に続けた言葉は、もう耳に入ってこない。

そんな娘の無反応さに、ソファに座る橘和也の顔色が沈む。彼は吸い殻を灰皿に押し付けると、突如として感情を爆発させた。

「あれほど西園寺玲央の手綱をしっかり握っておけと言い聞かせたはずだぞ! あの記事を見ろ。あんな有様で、西園寺家から追い出されるのは時間の問題だ! 自分の男一人繋ぎ止めておけんとは、橘家の顔に泥を塗りおって!」

「全く、役立たずが。いいか、西園寺家に嫁がせたのはお前に贅沢をさせるためじゃない。両家の結びつきを盤石にするためだ! それなのに、今やお前は...

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