第144章 まるで彼女とは無関係のよう

第11章

同時に、橘沙羅の胸中を歪んだ安堵が過った。まあいい。あの疫病神が私の翔お兄様に付き纏わないなら、一条星夜とどうなろうが知ったことではない。

一条星夜ともあろう男が、橘凛ごときに本気になるはずがない。十中八九、あの女の能力を利用しているだけだろう。

そう結論づけて嫉妬心を無理やり押し殺すと、彼女はフンと鼻を鳴らして顔を背け、橘凛から視線を外した。

その時、引率の教員が歩み寄ってきた。温厚そうな中年教授だ。彼は、橘凛が午後から第五軍区の鬼頭慶隆少将のもとへ「技術的なトラブル」の処理に向かっていたことを知っている。具体的な内容は不明だが、軍部が関与している以上、機密事項であること...

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