第156章 彼は本気だ

数秒の沈黙の後、一条昴は顔を上げ、捨てられた子犬のような表情を作ってみせた。だが、今回の話題は本題へと戻っていた。

「橘凛……その……チームの件なんだけどさ。俺、マジで本気なんだ! ずっと居てくれなんて言わない。ただ……今年一番重要な世界大会が終わるまででいいから!」

「去年、俺たちAWはアジア一位を取った。今年狙うのは世界制覇だ! でも、海外の強豪チームがこぞって化け物みたいな新人を導入してきてて……だ、だから、俺たちにはどうしても、お前みたいなトッププレイヤーが必要なんだよ!」

その瞳は、渇望と懇願で満たされていた。

「スバル!」

一条星夜が低い声で遮る。その口調には明確な不賛...

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