第5章
昨夜はとても安らかに眠れた。亮介の腕の中は、今まで感じたことのないほどの安心感に満ちていた。ピンク色の朝の光がカーテンの隙間から差し込む中、ゆっくりと目を開けると、亮介はもうキッチンに立って、私のために朝食を作ってくれていた。
「美和、起きる時間だよ。今日は海を見に行かないか?」亮介は湯気の立つオートミールを手に寝室へ入ってくると、私が大好きになったあの優しい笑顔を浮かべていた。
私は嬉しくて頷き、クローゼットから新しいピンクのドレスを選んだ。鏡の前でくるりと回って、似合っているか確かめていた、その時だった。外で車のブレーキが軋む音が聞こえた。
一台じゃない。何台も。
亮介の...
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