第14章 彼女なら大丈夫だ

相馬咲は彼女を見据え、わざとらしく鼻で笑うように言った。

「千葉椿、ずいぶん偉そうじゃない。総務部の部長でも、あんたのこと動かせないってわけ?」

千葉椿はそこでようやく思い出す。今朝、坂東部長に「退勤後、来い」と言われていたことを。

腕時計に目を落とす。――まだ10分しか経っていない。たったそれだけで「使えない」扱い?

「総務部はどちらですか」

淡々と問い返すと、相馬咲は通路の先を指さした。

「ほら、そこ。まっすぐ行って突き当たりを左。2棟目。坂東部長のオフィスは3階。自分で行けば?」

千葉椿は相馬咲を一度だけ見て、行政棟へ向かった。背後で、相馬咲の目に宿った毒々しい光には気づ...

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