第19章 お前は俺のもの

千葉椿はスマホを手に取り、着信表示をちらりと見た。考えるまでもなく、そのまま通話を切る。

切ったあとも、彼女は黙々とペンを走らせた。

それから二〇分ほど。

ドン、ドン、ドン。

ノックの音。

千葉椿は図面から顔を上げ、ぐっと腕を伸ばしてから、ぱたぱたと玄関へ向かいドアを開けた。

そこに立っていた人物を見た瞬間、目を見開く。

「……あ、あなた……なんでここに?」

羽鳥紅蓮の纏う気配は、ひやりと森閑としていた。真夏の熱気の中なのに、近づくだけで氷室に落とされたみたいに肌が粟立つ。

次の瞬間、彼は千葉椿を乱暴に部屋の中へ押し込んだ。

「千葉椿。いい度胸だな。俺の電話を切るとは」

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