第23章 寺内グループに戻りたい?

「社長」

「社長」

羽鳥紅蓮が廊下を歩けば、行き交う社員たちが次々と声をかけてくる。だが紅蓮は、目も向けずに通り過ぎた。

社長室に入った途端、コンコン、と扉が叩かれる。

「入れ」

紅蓮は腕時計に視線を落とし、そのままパソコンを立ち上げた。

「レン、コーヒー……」

聞き覚えのある声に、紅蓮が顔を上げる。寺内鈴がトレーを手に、目の前に立っていた。

紅蓮は眉を寄せ、声を冷やす。

「誰が来いと言った」

「レン、今日から私が羽鳥グループの社長秘書よ」

「出ていけ」

紅蓮が低く怒鳴る。

鈴は今にも泣きそうな顔を作った。

「レン、羽鳥おじさんに言われたの。秘書として来いって……...

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