第35章 彼女はどうすればいい?

「しゃ……」と寺内部長が言い終える前に、羽鳥紅蓮が「黙れ」とでも言うような視線を投げた。

寺内部長はさすがに察して、こそこそと口をつぐむ。すると千葉椿と千葉峰が同時に顔を上げ、この不意の来訪者を見た。

「三郎様、どうして……?」

千葉椿が驚いた声を上げる。

「偶然だ」

羽鳥紅蓮は寺内徹を見据えた。

寺内徹も長年社会で揉まれてきた男だ。あの目が何を意味するかくらい、わからないはずがない。

気まずそうに立ち上がり、席を移ろうとしたところで、千葉椿が首をかしげる。

「寺内部長?」

寺内徹は咳払いをひとつして、ぎこちなく笑った。

「千葉、さっき俺が席を見間違えたんだ。本当はあっち...

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