第60章 千葉椿が誘拐される

千葉椿は口元がつり上がりそうなほど上機嫌で言った。

「見たよ。あんたがやったの?」

「うん。どう? 少しは溜飲下がった?」

「はっ。あたしのっていうより、あんたの溜飲じゃない?」

「まあ……それもある」

羽鳥紅蓮の声は、甘やかすみたいでいて、どこか諦めにも似ていた。

千葉椿は唇を尖らせる。

「で、どう落とすつもり?」

「この件は警察に任せる。ほかは――こっちで片づける」

「了解。あんたの言うとおりにする」

千葉椿は少し間を置き、声を落として続けた。

「三郎様。羽鳥のお爺さん、自分の息子があんな腹黒くて、しかも自分まで計算に入れてたって知ってるの?」

「知ってる。けど、...

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