第65章 寺内鈴が私に宣戦布告してきた

羽鳥国隆はそう言い捨てると、怒りを露わにしたまま羽鳥紅蓮の執務室を出ていった。

羽鳥紅蓮は煙草に火をつけ、深く一服する。――が、ふと何かを思い出したように眉をひそめ、慌てて吸い殻をもみ消した。

室内を行ったり来たり、何周も歩き回る。やがて歯を食いしばり、スマホを取り出して、自分の手で警察に電話を入れた。

案の定、翌日には寺内グループに関するネガティブな記事はすべて引っ込められ、ネット上からは欠片も残らず消えていた。

千葉椿はニュースを一瞥すると、パソコンを閉じて、またラフスケッチに戻った。資本家の揉め事なんて、彼女の手に負えるものじゃない。

――けれど、関わりたくないからといって、...

ログインして続きを読む