第70章 なるほど、あんただったのか

「わかった、寺内さん。命が惜しいから、ちゃんと協力する。ただ、こっちも準備がある。しばらくは会えない。羽鳥紅蓮に勘づかれたら厄介だし」

「了解」

通話を切ると、千葉椿は寺内鈴から送金された履歴のスクリーンショットを、羽鳥紅蓮に転送した。

羽鳥紅蓮は通知を受け取り、ちらりと目を通すと、ふっと笑う。

スマホをポケットへねじ込み、車を停めてから、社長専用のエレベーターでオフィスへ向かった。

千葉椿は会社に着くと、ぎりぎりの時間でタイムカードを切った。

席に着く間もなく、木下莉がコーヒーを一杯持って近づいてくる。

「ほんっと、絶妙なタイミングで来るよね!」

わざとらしく茶化す声。

...

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