第82章 たかが中古品

千葉椿は、この件はこれで終わりだと思っていた。

ところが――まさかの三日後。次の週末、事態はまたしてもひっくり返る。

土曜の朝早く。羽鳥紅蓮がまだトイレにこもっていると、スマホが鳴った。

「椿、悪い。電話出てくれ」

千葉椿は白目をむく。

「私に機密バレてもいいの?」

トイレの向こうで、羽鳥紅蓮がくすっと笑う。

「今さらだろ。俺のもの、何が椿のものじゃないんだよ」

……まあ、確かに。

千葉椿はそう思い、ためらいなく通話ボタンを押した。

けれど、受話口から流れてきたのは、想定外の声だった。

『レン……私、離婚したの。景司お兄さんと……離婚したのよ。レン、私、オックスフォード...

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