第97章 俺とお前こそが家族だ

ただ――羽鳥国隆がまったく想像していなかったのは、通話を切ったその直後だった。まだスマホをポケットにしまう間もない。着信音が、再び鳴り響く。

羽鳥国隆は画面の表示を見てぎょっとし、慌てて通話を取った。

「……美珍か?」

『――愛しいお父様……』

受話口の向こうから届いたのは、羽鳥紅蓮の冷えきった声だった。

「この不孝者が……何のつもりだ!」

胸が大きく上下する。怒鳴りつけながら立ち上がり、鷹のように鋭い目で周囲を一掃した。だが、不審な影はどこにもない。

『羽鳥国隆。忠告しておく。無駄な真似はやめろ。……お前はもう、歳だ』

その一言に、羽鳥国隆は血が逆流するのを感じた。吐きそう...

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