第13章

神崎家の別荘は敷地8,000平方メートル。界隈でも指折りの規模を誇る邸宅のひとつだ。

神崎家の八兄弟はそれぞれ事業を持ちながら、あえて分家しない。上流の名門でも利害で割れがちな中、神崎家は「異例なくらい団結している」と言われてきた。

かつては笑い声の絶えない家だった。

けれど――神崎実里が行方不明になってから、別荘全体が言葉にできない重さに沈んだ。

神崎雅志は仕事に身を投げ、家へはほとんど戻らない。

他の兄弟たちも各々の用で動き回り、神崎吉弥だけが、昼は療養所で神崎聖子に付き添い、夜になってようやく帰ってくる日々。

今日だけは例外だった。

年末年始などの行事を除けば、ここ数年で...

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