第25章

雪乃は母の喜びを敏感に察し、自分の胸の奥までぱっと明るくなった。

大きく息を吸い込み、勇気を振り絞って大西先生の前に出る。

「大西先生、こんにちは! 雪乃です! 先生の絵、大好きです! 先生、私の推しです!」

大西先生はそこでようやく、そばに子どもがいたことに気づいたように目を向け、こくりと頷く。

「うんうん。ありがとうね、お嬢ちゃん」

大西先生は世間のしがらみから距離を置いて暮らす人で、社交や付き合いは好まない。だが人柄は穏やかで、近寄りがたい雰囲気はない。

雪乃はそれが嬉しくて、胸の中で勝手に「先生が私を気に入ってくれたんだ」と思ってしまう。

もう一言、何か言おうとした――...

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