第37章

美波は振り返ることができなかった。扉に身体を押しつけ、必死に開けようとするのに、どうやっても開かない。

背後で、誰かが泣いている気がした。

びくっとして振り向く。――けれど、そこには何もない。

怖くてたまらない。子どもに何が分かるというのか。美波はそのままベッドの下へ潜り込んだ。

外は、しんと静まり返っている。

……と。

自分の部屋の中を、つま先立ちの足が行ったり来たりしているのが見えた。行ったり来たり、行ったり来たり――そして、最後に。

その足が、美波の目の前で止まった。

美波は息を呑んだ。口元がきゅっと歪み、両手で自分の口を必死に押さえる。

――聞こえたのか。

“それ...

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