第41章

紬は神崎雅志の車の後部座席で、落ち着かない様子のまま前の背中に向かって急かした。

「雅志おじさん、はやくはやく!」

拓海おじさんが危ない気がする。

そのとき、ふわりと冷たい気配が追いついてきた。蒼海がすり抜けるようにドアを通り、紬の隣にちょこんと腰を下ろす。

「つむき。師匠から厄除けの符を教えてやろうか?」

紬はきょとんとして振り向いた。瞳の奥に、はっきりとした疑い。

蒼海は軽い調子で続ける。

「災いを散らして難をほどくやつだ。拓海おじさんの“ちょっとした問題”くらい、余裕で片づく」

声色は甘い。まるで大きな狼が子どもをあやすみたいに。

――だが本当は、神崎拓海の眉間には黒...

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