第60章

中田美咲の視線が神崎岳とぶつかった瞬間、ぱっと目が輝いた。

「神崎さん!」

神崎岳はなぜか、さっき紬が言っていたことを思い出す。

胸の奥が、理由もなくずしりと沈んだ。

――俺の恋愛運が中田美咲だって? そんなもんだったら今夜中にでも斬る。

神崎岳は何も言わず、無表情のまま近づいてくる中田美咲を見つめた。

中田美咲は銀色のドレス姿。彼のスーツと、色味がぴたりと同じだ。

彼女が神崎岳の隣に立ち、さらに紬まで並ぶと――どう見ても、家族写真みたいな並びになる。

嗅覚の鋭い記者たちが、すかさずカシャカシャとシャッターを切った。

こんな写真が出たら、来週いっぱいの話題はこれで持つ。

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