第61章

紬が、きらきらした大きな瞳でこちらを見上げている。

秋山凪は背筋がぴくりと固まり、唇を結んで言った。

「……どうした」

紬は指を折りながら数えて、ぱっと顔を輝かせる。

「わあ、お兄ちゃん! これ、いちばんたくさんしゃべった! すごい!」

一度に言えるの、せいぜい数語だと思ってたのに!

秋山凪「……」

――てっきり、「お兄ちゃんって物知りだね」とか言われると思った。

神崎岳は、どこか愉快そうに口元をゆるめると、より楽な姿勢に座り直し、頬杖をついて二人を眺めた。

子どもってのは、ほんと幼い。

注目するところが、いちいち妙だ。

盛世グループの上場セレモニーが終わり、紬は食べす...

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