第72章

紬は怒っていた。怒るポイントが、いちいちズレてる。

見栄っ張りは撫でるみたいに転がされ、血を吐くかと思った。

ただの一言だろ。そこまでやる!?

「おま――」

「どんっ!」

紬はまるでサンドバッグを投げるみたいに、見栄っ張りを丸めては潰し、ぐるんぐるんと叩きつける。

見栄っ張りは反撃どころか、幽霊のくせに怒りで思考停止した。

自分がいちばん見下してたクソガキが、なんでこんなに強いんだよ――!

「ちょ、ちょっと待て!」見栄っ張りが叫ぶ。

紬「待たない!」

バカにするな。

なんで待つんだよ。反撃の準備でもさせる気?

見栄っ張りは歯ぎしりした。

「いま私、雪乃に憑いてるんだ...

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