第79章

部屋の中に、女の幽霊がいた。髪はきっちりと結い上げられているのに、額の前にはほつれた毛が数本垂れ、白目をむき出しにした眼を半分だけ隠している。

頭には大きな穴が開き、どくどくと血が溢れていた。

その足元には、幽霊の赤ん坊が四、五体。いちばん大きい一体は、長い臍の緒を引きずり、その女幽霊と繋がっている。

紬が視線を向けた瞬間、女幽霊は喉の奥から「ひゅう、ひゅう」と空気の漏れるような音を鳴らし、しゃがれ声で呼んだ。

「紬……紬……」

真っ赤なマニキュアを塗った指が、まっすぐ紬を指す。首を絞める仕草のまま、ふわり、ふわりと近づいてくる。

紬の顔色が、さっと青ざめた。

紬は幽霊が怖いわ...

ログインして続きを読む