第8章

紬は林を見つめ、声を張った。

「五ちゃん!」

林の奥から、ガァッ、と鳥の声が返ってくる。色鮮やかなオウムがばさばさと舞い上がり、くるりと一周した――が、こちらへは来ない。逆に、ばさばさとさらに奥へ飛んでいった。

紬は「しーっ」と唇に指を当て、神崎斗真の耳元へそっと口を寄せる。

「斗真おじさん、五ちゃん……斗真おじさん、こわい」

小さな手を口元でラッパみたいにして囁く。大きな瞳がぱちぱち瞬き、やけに綺麗だった。

神崎斗真もつられて声を落とす。

「紬。おじさん、人を呼んで捕まえようか? そのまま五ちゃん、連れて帰れる」

紬は小さな眉をきゅっと寄せ、首を横に振った。

「だめ」

...

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