第88章

紬が赤い服の女に目を留めたのは、その背中に――幽霊がぴたりと張りついていたからだ。

蒼海はその赤い服の女を見て、「ん?」と鼻を鳴らす。

「また一体、悪霊か?」

最初に逃げた泣き虫。

雪乃に憑いていた見栄っ張り。

そして、目の前のこいつ――。

「ちっ……今どき悪霊って、こんなに見つけやすいもんなのかよ」

蒼海は紬をちらりと見て、心の中でぼやく。

運が良すぎる。

まるでコナンが行く先々で死人が出るみたいに――紬が行く先々で幽霊が出る。

普通なら、命がけで辺鄙な場所まで探し回って、ようやく一体……ってところだ。

なのにこいつは、向こうから勝手に寄ってくる。

……やれやれだ。...

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