第91章

おばさんはやんちゃな男の子の手を引いたまま、ぷいっと顔を背けた。

「座らない! こんなとこ誰が座るのよ、縁起でもない……」

神崎雅志はそのまま真っすぐ腰を下ろし、脚を組む。片手にポップコーン、もう片方の腕を椅子の背に投げ出すように回し――さりげなく、子どもたちを懐へ囲い込んだ。

「座らないなら失せろ」

冷えた声が落ちる。

「次にもう一回でも見かけたら、この遊園地にいられないと思え」

理屈も情けもない。圧でねじ伏せるタイプ。

「…………」

おばさんは鼻で笑い、やんちゃ坊主を引っ張ってずんずん去っていく。口の中ではまだぶつぶつ言っていた。

「ぺっ。金持ちはこれだから……品がない...

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