第25章

ここまで言われてなお沈村薫子が断れば、さすがに無粋というものだった。

困ったような、それでいて少し可笑しそうな目で、息の合いすぎた母子をひと目見る。結局、観念するしかなく、奥様に手を引かれるままダイニングへ向かった。

松野家のダイニングはひどく広い。紫檀の丸卓には、料理が所狭しと並んでいた。

席に着くと、松野博はごく自然な仕草で、沈村薫子の真正面の椅子を引いた。長い脚を気ままに組み、いかにもくつろいだ様子で腰を下ろす。

「薫子ちゃん、どう? お口に合いそうかしら」

奥様はにこにこと取り箸を伸ばし、甘酢のスペアリブをひとつ、沈村薫子の取り皿へ載せた。

「好きなものがあったら、なんで...

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