第33章

すべての手配を整えてから、藤原お爺さんはようやく視線を、ずっと黙したままなのに圧だけは揺るがない松野博へ向けた。

老人の瞳に、複雑な色が一瞬だけ差す。苦い声音で言った。

「松野様……お恥ずかしいところをお見せしました。今日の醜態は、すべてこの愚息の不始末。大切なお客様に失礼をいたしました。わたしから、代わってお詫び申し上げます」

松野博は小さく頷く。冷えた横顔に嘲りはない。

一歩、前へ。

低く、芯の通った声が広間に落ちた。

「お爺さん、過分なお言葉です。私は以前より、藤原お爺さんの采配とご統率に敬意を抱いております。藤原グループが今日の地位にあるのも、ひとえにお爺さんのお力あって...

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