第48章

鈴原靖は足早にベッド脇までやって来た。傍らに、ひと目でただ者ではないと分かる男が立っているのも構わず、穏やかな声音に焦りを滲ませる。

「こっちで用事があって帰国したんだ。今日、空港に着いてすぐ君に電話したら、出たのが看護師さんでね。君が入院してるって聞いて、予定を全部キャンセルして飛んで来た」

そう言いながら、彼の視線が沈村薫子の分厚い包帯に巻かれた右手に落ちる。

次の瞬間、その瞳がはっと縮んだ。

「その手……どうしたんだ。こんなになるまで、何があった?」

「もう大丈夫です。先輩、そんなに心配しないでください」

胸の奥が、じんわりと温かくなる。

沈村薫子は無理に口元をほころばせ...

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