第7章
午前一時三分。今日は結婚式の前夜だ。
日記帳の最後の白紙ページを開いた。三週間泣き続けて、涙もついに枯れ果てた。残っているのは、この奇妙で、空っぽな静けさだけ。
「カウントダウン、あと一日」
「明日は私の結婚式の日」
なんて普通に見えるんだろう、こうして書き出してみると。大事な日の前夜に、浮かれて眠れないでいる、ただの花嫁の一人。そんな風に。
「でも瑛太、私はそこには行かない」
ペンは動き続ける。どういうわけか、筆跡はまだ整っていた。
「この三週間、私はすべてを記録した。あなたがつづったすべての動画、私を愛していると語ったすべての言葉。あなたは私たちの物語を紡いでいるつ...
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