第22章 ようやく離婚

篠宮のお爺さんはため息をついた。「お婆さんはこのことを知っているのか」

綾辻詩織は頷き、手話でこう伝えた。「お婆様はもうご存じです。葛城彰人との離婚にも同意してくれました」

篠宮のお婆さんは信じられないといった様子で綾辻詩織を一瞥すると、息が詰まりそのまま気を失ってしまった。

篠宮のお爺さんと綾辻詩織は一瞬呆然とし、慌てて篠宮のお婆さんを病院へ運んだ。

綾辻詩織は病院で一晩中篠宮のお婆さんに付き添い、篠宮のお爺さんが何度か帰って休むよう勧めても、首を縦に振らなかった。

綾辻詩織はやはり心にいくらかの罪悪感を抱いていた。篠宮のお婆さんが倒れたのは、全面的に自分のせいというわけではないに...

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