第7章

百合子視点

目が覚めた時、頭は割れるように痛み、口の中に鉄錆のような味が広がっていた。気づけば私は、冷たい石の板の上に縛り付けられている。手首には荒縄が食い込み、ひりひりと痛んだ。

(何なのよ、ここは……?)

無理やり目を開けて周囲を見渡す。そこはだだっ広い地下室で、湿った空気にはカビと腐敗、そして何か得体の知れない邪悪な気配が立ち込めていた。石の壁には古代文字のような奇妙な象徴が刻まれている。床には白い粉で複雑な五芒星が描かれ、その各頂点には不気味な彫像が置かれていた。

周囲には無数の黒い蝋燭が灯され、オレンジ色の炎が激しく揺らめき、壁に歪んだ影を投げかけている。地下室全体が...

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