第101章 サボり

柊木禅司は苛立った目で、その場に群がる女たちを一瞥した。

先頭の女は肩までの巻き髪を揺らし、指先でわざと柊木禅司の手首をかすめる。甘ったるい声を作った。

「柊木様ぁ、もうお忘れですか? この前のチャリティーパーティーで、私たち乾杯したじゃないですか」

柊木禅司は視線を落とし、今にも触れてきそうなその手を見た。凍りつくような目。声には温度が一欠片もない。

「失せろ」

女の笑みが一瞬ひきつった。恐怖が胸の内でばらばらに膨れ上がる。

――怖い。こいつ、ほんとに怖い。

一言でも言い返したら、殺される。そんな確信が背筋を走った。

けれど女は何かを思い出したように、すぐ媚びた笑顔を貼り直...

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