第118章 結婚式

柊木家当主の私邸は、純白の薔薇園にぐるりと抱かれていた。

エントランスには、手仕事で磨き上げられた石の灯柱が二列に並ぶ。灯芯に宿るのは、あたたかな淡い黄の光。

床には濃いグレーの手織りウールカーペット。足を乗せても、音ひとつ立たない。静けさに溶け込み、空気そのものが柔らかくなる。

メインのバンケットホールは海へ向けて大きく開き、風が頬を撫でた。塩の匂いに、薔薇の淡い香りがかすかに混じる。

ドーム天井の下には、手吹きガラスの灯りが幾百と下がり、淡い緑、薄紫、銀青のグラデーションがゆらめいていた。

チェロとピアノの合奏が流れるなか、招待客が次々に席へ着いていく。

月岡博雄は濃灰のオー...

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