第120章 率直に向き合う

瀬谷島のプライベートヴィラは海沿いに建ち、背後には温泉リゾートが広がっている。

湯は淡い青の光をまとい、湯面には天然のシリカの粉がふわりと漂う。遠くには、火山岩が連なる荒々しい地形。

月岡古雅は湯船の縁にもたれ、指先で水面をなぞった。声は風みたいに淡い。

「毎日こんなふうに、好き勝手できたらいいのに」

隣にいる柊木禅司は、彼女の腰の後ろに掌を添え、乱れた髪を丁寧に整えてやる。

「その気になれば、会社のことだって誰かに任せられる」

月岡古雅は目を上げ、瞳の奥に薄い戯れを宿した。

「柊木禅司。私と一緒にいるのって、結局うちの会社を飲み込むためでしょ?」

柊木禅司は、いかにも当然だ...

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