第92章 仲間割れ

月岡古雅はすぐさま近藤に指示を飛ばした。

十分後、近藤から肯定の返事が入る。

「兄貴、あの手の薬……流してるのは黒鳥グループだけっす」

月岡古雅は息を呑んだ。瞳の奥で、恨みがどろりと渦を巻く。

前の人生。彼女は原田紀奈にそれを飲まされ、深刻な幻覚に沈んだ。

それに、兄はレースが好きでも安全には人一倍うるさかった。車に細工できるのは、相当手慣れた人間だけだ。素人にできる芸当じゃない。

つまり――月岡家を潰したのは、原田紀奈と七瀬崚介だけじゃない。黒鳥グループも、深く噛んでいた。

「……どうした」

ふっと意識が遠のいた隙に、柊木禅司が異変を察した。

月岡古雅は笑ってみせたが、力...

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