第93章 チャールソンの願い

月岡古雅はその場に立ったまま、顔色ひとつ変えなかった。

柊木禅司は片腕で彼女の肩を抱き寄せ、氷みたいな視線を一閃させる。

銃を構えた若い衆が、思わずびくりと震えた。

チャールソンも例外じゃない。コントローラーを握る掌に、じっとりと冷や汗が滲む。

こいつ――柊木禅司。素性は知らない。だが、この圧……絶対に逃がしちゃいけない。

空気が凍りついたみたいに重くなり、誰もが息を呑んだ。

冷たい風が廊下を抜け、背中をひやりと撫でる。けれど、月岡古雅と柊木禅司は微塵も揺らがない。

月岡古雅が顔を上げ、淡々と言った。

「チャールソン。いま本気で私たちを殺したら、あんたも無事じゃ済まない。黒鳥...

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