第97章 世論の反転

グラスが触れ合うチン、という乾いた音と、客たちのひそひそ話が渦を巻く。集まった視線は針みたいに、月岡古雅へ突き刺さった。

「へえ……月岡古雅って、そういう女だったんだ。危うく見た目に騙されるところだった」

「これで否認とか、よく言えるよね」

「N市でのし上がるの早いと思った。どうせ、何かやってるんでしょ」

「こんなのと組むとか無理。こっちまで汚れそう」

ざわめきは、どんどん大きくなる。

一方の七瀬崚介は、柊木禅司に床へ押さえつけられているのに、狂ったように笑っていた。口の端から血が流れても、気にする素振りすらない。

「これで、みんなお前の正体が分かっただろ! 月岡古雅、なに取り...

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