第13章 怪しい人物

翌朝、氷川家の別邸。

相沢千夏がダイニングで朝食を口にしていると、スマホが不意に鳴った。画面の表示を見て、すぐに通話ボタンを押す。

「礼司?」

『千夏、いまマンションにいる?』

風見礼司の声はいつもどおり穏やかだった。

「ううん。最近、氷川家に戻ってるの」

千夏は向かいの席にいる氷川隼人をちらりと見てから続ける。

「用件は電話でいいよ」

受話器の向こうで、礼司が一瞬だけ言いよどんだ気配がした。

『君の店の近くのカフェで、ちょっと怪しい人を見かけた。……ただ、俺の勘違いかもしれないけど』

千夏の胸がきゅっと締まる。

「どんな人?」

『カフェの防犯カメラのスクショ、送る。...

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