第33章 氷川家に住み込む

相沢千夏は眉をひそめ、手紙を何度も何度も読み返した。

もう椅子に座ってなどいられない。タクシーを止め、病院へ一直線。

車窓の景色が流れていくのに、胸だけが落ち着かない。心臓がドクドクと暴れている。

「もう少し飛ばせませんか?」

「もう十分飛ばしてますよ。これ以上はスピード違反です」

運転手が困ったように返した。

相沢千夏は唇を結び、スマホを握りしめる。いっそ羽でも生えて、今すぐ病院まで飛んでいけたら――。

二十分後。

タクシーは氷川グループ私立病院の正面玄関に滑り込んだ。

相沢千夏はほとんど駆け込むように建物へ入る。

病室。

ベッドの上で静かに眠る妹の姿を見た瞬間、張り...

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