第36章 秘密

車内の薄黄いろの灯りが二人の頬をやわらかく照らしていた。相沢千夏は冷ややかな目を崩さず、エミヤは腕を組んだまま、紅い唇に皮肉めいた笑みを浮かべている。

「正直、あなたには驚かされたわ」

エミヤは軽く手を打ち、半分は感心、半分は嘲るような口調で言った。

「何があっても落ち着いてるし、私の目をまっすぐ見返してくる。そのうえ、考え方も推理もなかなか面白い。やっぱり、見込んだ相手を間違えてなかったわね」

相沢千夏は眉を寄せたが、唇を引き結んだまま何も言わない。

エミヤの笑みがいっそう深くなる。

「あなたと氷川隼人が私を探ってることくらい、知ってるわ。でも残念ね。ここには、あなたたちの欲し...

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