第39章 くそ野郎

「まったく、君には降参だよ」

エミヤは目尻をふにゃりと下げ、にこにこしながら車へ向かった。「弱点がわかりやすすぎるんだよ。だから他人に簡単に握られる」

「そう?」

相沢千夏は否定も肯定もせず、歩幅を少しだけ上げて彼女に並ぶ。

エミヤはうなずき、小さな箱を千夏に手渡すと、ドアを開けて助手席へ滑り込んだ。

首をかしげ、濃い睫毛の奥の緑の瞳に笑みを含ませる。

「でもさ、私はそこが好きなんだよね」

相沢千夏は眉をひそめ、目の疑いがいっそう濃くなる。

「……どういう意味?」

「言葉どおり」

エミヤは肩をすくめ、早く乗れと手で促した。

ほどなくして、ふたりは再び屋敷へ戻った。

中...

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