第170章

水原花子は仕方なく服を着替え、階段を降りると、ちょうど帰ってきたばかりの葉田月見とすれ違った。

「こんな遅くにどこに行くの?まさか男と遊びに行くんじゃないでしょうね」葉田月見は意地悪く言い放った。

「友達が酔っぱらってるから、迎えに行くだけよ」水原花子は彼女を見る気にもならず、そのまま車で港へ向かった。

そこには大型ヨットがいくつも停泊していた。

彼女はその中で最も大きなヨットを見つけて乗り込んだ。中は暖房が効いていて、男女合わせて十数人がいた。女性たちは一様にビキニ姿で、漂う雰囲気に水原花子は思わずポケットに手を入れ、葉田城一郎に電話をかけようとした。

しかし、番号を押す前に、背...

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