第202章

翌日の朝。

彼女は目を覚ますと、習慣のように携帯電話を手に取りトレンドをチェックした。

今日のトレンド一位は【西村社長が彼女とイチゴ狩り】だった。

写真には、葉田月見が顔を上げて西村達也を見つめ、眉目を優しく曲げて甘く微笑んでいる姿が映っていた。彼女は手に連理の実のようなイチゴを持ち、西村達也は端正な横顔で彼女を見つめていた。夕日の光が二人の顔に差し込み、まるで熱い視線を交わし合っているかのようだった。

彼女は突然、昨夜彼が言った言葉を思い出した。このイチゴ、僕たち二人みたいじゃない?

はっ、なんて滑稽なことだろう。

彼は葉田月見が摘んだイチゴを持って、別の女に対し...

ログインして続きを読む