第210章

「叔父さん、どうか同意してください」西村達也はゆっくりと水原花子の手を引いて立ち上がった。

「あなたの祝福があってこそ、私たちの関係も正当なものになります。それに、彼女と結婚すれば、彼女は名実ともに葉田家に戻れるのです。もう誰も彼女を軽んじたり、見下したりすることはありません。葉田叔父さんもそれを望んでいるのではありませんか」

彼の最後の言葉は葉田城一郎の心に深く響いた。

……

気がつけば、水原花子は西村達也に引かれて車に乗せられていた。

彼女は隣で真剣に運転する端正な顔立ちの男性を見つめた。頭の中が混乱している。つまり...自分と結婚するために、西村家は彼から社長の座を奪ったとい...

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