第30章

「うん、これが私の図面よ。何か修正が必要なところがあれば教えて」

水原花子はノートを差し出し、苦労して作った模型を開いた。

西村達也はそれを見て、目の前にちらりと通り過ぎて暗い青の神秘的な色彩に驚いた。一瞬、時空のトンネルを通り抜けるような感覚に包まれ、周囲には華やかな星雲が広がっていた。

水原花子は説明を始めた。

「これは私がデザインした『ヴァスト・アイズ』よ。無限に広がる星雲がまるで無数の目のように見えるでしょう?私は宇宙が未来の探求の重点だと思っているの。この部分は『四次元の世界』で、エッシャー風の構造で作られているのよ…」

西村達也は彼女の話を黙って聞いていたが、内心では驚...

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