第41章

買うべき食材が少し多いし、さらに牛乳、果物、お菓子なども買うつもりだった。

一周してみると、すでにカートいっぱいの品物を選んでいた。こんなに多くのものを持ち上げるのは無理だと感じた。

考えた末に、西村達也にSNSを送った。「達也、買ったものが多すぎて持てないかもしれない。手伝ってくれる?」

送信してから、五分間何の反応もなかった。

彼女はため息をつき、そんな期待を抱くこと自体が妄想だと自覚した。

西村達也は「気配りができる」という言葉とは無縁の人だ。

そう思っていると、前方に突然影が差し込んできた。顔を上げると、西村達也がすらりと立っていた。彼は先ほどまでジャケットを着ていたが、...

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